「ごめんなさい。わざわざついて来てもらって」
無事?ここに残ることになったは、自分の泊まっていたホテルからみんなと同じホテルへ移ることになった。荷物をとりに行くのに護衛として蔵馬を指名したコエンマは
「責任とって守ってもらうからな!」
と半泣きだった。
「近いから大丈夫なのに。ホントにごめんなさい」
「クスッ。謝ってばかりですよ」
「え?そう、かな?」
「今日は試合もないし暇ですから気にしないで」
「う〜ん……やっぱりごめんなさい」
しゅんとして何度も謝るを見て蔵馬は声を出して笑った。
「ここです。あたしの部屋」
ホテルの一室に着いた二人。
「お茶いれますね。それ飲んで待ってもらえますか?」
そういってはお茶をいれ、荷物をまとめ始める。
「なにか手伝おうか?」
「いいです!蔵馬さんは座って待っててください」
慌てて断る。お姫さま育ちなのに偉ぶった様子もないに蔵馬は印象を良くした。
「蔵馬でいいですよ」
「え?でも………」
「俺もって呼んでいいですか?」
「それはもちろん。じゃあ蔵馬?」
「なんですか?」
「敬語、クセなの?」
「え?えぇ…そうですね」
「敬語やめましょう。どう?」
「………わかった」
ふわっと優しく微笑んだ蔵馬にも笑顔で返して荷造りを続ける。
「はなぜこんな危険なところまで来たの?」
「……お兄ちゃんに探るように言われたの?」
「いや、俺の好奇心」
荷物を詰め込んだバッグを持って蔵馬のところまで来ると喉が渇いたのかお茶を入れ半分ほど一気に飲み込んだ。
「…浦飯チームに興味があったし、あれでも大切な兄だから心配だし、おばあちゃんだっているし、なんだか嫌な予感がしたから」
「予感?」
「わからないから来たの。あたしに何ができるとも思ってないけど」
そういうと残りの半分を飲み干した。
「さ、いきましょう」
ホテルに戻りながらいろいろな話をした。まぁ、霊界の資料に蔵馬のこともあったから少しは知っていたけど。
優しい、ね。
荷物持ってくれるし、歩幅をあわせてくれるし。フェミニスト?っていうのかな。
「じゃあ幻海師範の所へはよく来てたんだ」
「うん。人間界で一人で行けるの、あそこだけなの」
「そう…じゃあ今回は本当に思いきったことをしたんだね」
「…なに?その含み笑い。じゃじゃ馬だと思ってるんでしょ!」
「言ってないよ?そんなこと」
「目が言ってるー!」
蔵馬は楽しそうな顔してる。うーん…結構意地悪なとこあるみたい。
チェックインして、やっと部屋で一息ついたところへ内線が入った。
「様?夕食みんなで食べましょうよ。後で迎えに行きますね!じゃあ!」
ぼたんは用件だけで電話を切ってしまった。
夕食まで少し散歩に行こうかな、とロビーに出ると肩を叩かれた。
「どこへ行くの?」
「蔵馬!びっくりしたー」
後ろには先程別れたばかりの蔵馬がいて
「一人じゃ危ないでしょう」
と注意されてしまった。
「ちょっと散歩をと思って…」
何と無く罰が悪くなって小声になってしまう。
「なら付き合うよ」
「え!?」
手を引かれてホテルを後にする。ホント、面倒見がいいのね。
夕食は楽しかった。
あんなに大勢で食べたの初めてで、幽助くんや桑原くんの食べっぷりには驚いた。
「、楽しいかい?」
「うん。初めてだもん。こんなに楽しい食事は」
そう答えたあたしをおばあちゃんは目を細めて見ていた。
その時にチクリと胸が痛んだんだけど
まだ気付かなかった。